物語作品「川のいのち」について、感想文を書くための読書メモを作ってみましょう。
作者の立松和平さんには、物語やノンフィクションのたくさんの作品があります。その中に、絵本として出版されている「いのちシリーズ」があります。「山のいのち」「田んぼのいのち」「木のいのち」など、さまざまなかたちで、命に触れる経験をする人がえがかれます。
「海のいのち」を教科書で読んだことがある方もいるかもしれません。
どの作品も、小学校高学年の方が読書感想文を書くのに良いと思います。絵本で、あまり長くない作品です。いくつか読んでみると、感想文を書けそうな作品が見つかるのではないでしょうか。
ここで取り上げる「川のいのち」は、6年生の男の子たちがすごす夏休みのお話。自分の夏休みと比べながら、読んでみてはいかがでしょうか。
また、このページに書いてあることをヒントに、読書感想文を書く方法を、こちらのページで説明しています。
→読書感想文の書き方
川のいのち-この本について
- 題名:川のいのち
- 著者:立松和平(たてまつ わへい)
- 絵:横松桃子(よこまつ ももこ)
- 出版社:くもん出版
- 本の大きさ:横21.4cm×縦30cm
- ページ数:32ページ
- 初めて出版された年:2002年
※Amazonの商品ページ
川のいのち
川のいのちのあらすじ
小学校最後の夏休みが始まった日、悟(さとる)と雄二(ゆうじ)は、夏休みの間に何を成しとげようか考えました。雄二は「川の大ゴイを手づかみする」と断言したのに、悟の方はこんなふうにしか言えませんでした。「ぼくは何かわからないけど、何かをつかまえる」その夏、悟がつかまえたものとは……
※この先は、本を読んでから読むことをおすすめします(ネタバレがあります)※
読書メモを作ろう
質問の答えを考えながら、読書メモを作ってみましょう。
- 今年でも去年でも、自分の夏休みにしたことを思い出して、具体的に書いてみてください。
- 川で遊んだことはありますか。その時のことを思い出して書いてみてください。
- 川でこわい思いをしたことはあれば、その時のことを書いてみてください。
- あなたがもし、もう一人の少年としてこの物語に加わるとしたら、どんなことをしますか。どんな気持ちになるでしょうか。想像して書いてみてください。
- 悟は「何かをつかまえる」と言いました。あなたには「つかまえたい」と思うものはありますか。
- 他にも、この本を読んで思い出したこと、想像したことなどを書いて、読書メモを作ってみてください。
自分の夏休みと比べて
今は小学生が子どもだけで川で遊ぶのは禁止、というところがほとんどではないでしょうか。
深くもぐったときの苦しさ、速い流れに足をすくわれた時の恐怖、大雨での増水など、楽しい遊びとすぐ隣り合わせにある「死」を、この作品の少年たちははっきりと感じたに違いありません。
大人に管理され、安全を確保されながら、もりだくさんのスケジュールをこなす今の子どもたちの「自然体験」と、この作品の少年たちの川遊びは、まったく違うものだろうと想像できます。
読書感想文を書くとしたら「のびのび遊べる少年たちがうらやましい」「昔はよかった」的にまとめてしまうと手軽ですが、できれば、もう一歩自分の方に物語を引き寄せられるといいと思います。
「川のいのち」の少年たちのような夏休みの過ごし方をすることはできないけれど、悟の「何かをつかまえたい」という気持ちだけは、なんとなくわかる気がします。
あの夏、少年たちがが本当につかまえたいと思ったものは、何だったのでしょうか。そして、それをつかまえることは、できたのでしょうか。
この作者の他の作品
こちらも高学年の方の読書感想文におすすめです。
海のいのちAmazonの商品ページ
(光村図書、東京書籍の国語の教科書に取り上げられている作品です)
山のいのちAmazonの商品ページ