「チョコレート戦争」を題材に、読書感想文のヒントをしょうかいしている記事です。
どこにでもありそうな町で小学生の主人公に起こる事件をえがいた物語。読むのは3~4年生から、読書感想文を書くなら小学校5~6年生の方におすすめの作品です。
チョコレート戦争-本の情報
- 題名:チョコレート戦争
- 作者:大石真(作)、北田卓史(絵)
- ジャンル:物語
- 出版社:理論社
- シリーズ:新・名作の愛蔵版
- 本の大きさ:よこ15.5cm×たて21.5cm×厚さ1.7cm
- ページ数:189ページ
- 初めて出版された年:1965年
- どこで書かれたか:日本
※Amazon商品ページ
チョコレート戦争 (新・名作の愛蔵版)
どんなお話?
町いちばんの洋菓子店(ようがしてん)のショーウィンドウには、チョコレートでできた城がかざられていました。小学生の光一と明がその城を見ていた時、ふいにショーウィンドウのガラスが割れ、2人はガラスを割った犯人と決めつけられてしまいます。名誉(めいよ)をきずつけられた光一は、大人たちと戦う決意をします。
2回通して読んでみよう
一度目は、自分が楽しく読めるペースで、ひととおり読み通してみてください。長めの物語ですが、おもしろいので一気に読めてしまうかもしれません。
二度目は、細かいところに気をつけながら、ゆっくりていねいに読み返してみましょう。読みながら、次のクイズの答えを探してみてくださいね。
クイズ
光一たちは小学生ですね。では、何年生かな?(答えはこの記事のいちばん下に書きます)
※この先は、本を読んでから読むことをおすすめします(ネタバレがあります)※
本についての質問に答えてみよう
印象に残った場面、心を動かされた場面を読み返しながら、次の質問の答えを考えてみてください。全部ではなくても、答えを思いつける質問だけでいいですよ。
答えは、1問につき1まいのメモ用紙に書いてください。
- 登場人物の中で、君に似ている人はいるかな。どんなところが、似ていると思う?
- 光一はどんな子かをあらわす文章を、本の中から探して、書き写してみよう。たくさんあるよ。
- その中から、一番気に入った文章を1つ選ぼう。
- 君が、ガラスを割った犯人だと決めつけられたら、光一のように大人と戦おうと思う? それとも明のように戦うことに反対する?
- 君は、やってもいない悪いことを、やったと決めつけられて、しかられたことはあるかな? あれば、その時のことを思い出して書いてみよう。どんな気持ちだった?
- 光一に「弱虫」と言われた時の明の気持ちを想像してみよう。どんな気持ちだったろうね。
- 弱虫と言われた明が、後で戦いの中で、重要な役目を果たすことに気づいたかな? 明はどんなことで、戦いの役に立っていただろうか。
- 他にも、クラスメイトたちは、戦いの中で、いろんな役目を果たしていたね。だれが、どんな役目でかつやくしていたか、書いてみよう。
- 君なら、どの役目が自分にぴったりだと思う?
- この物語を読み終えた時、どんな気分だった?
- 他にも、この本を読んで、心に残ったことや、思い出した自分の体験などがあれば書いてみよう。
この質問の答えをメモして、それをもとに読書感想文を書く方法を、こちらのページで説明しています。
大人にしかられてばかりの子なのに
光一というリーダー的な少年が出てきます。この本を読んだ人はみんな、この子にひきつけられるのではないでしょうか。
クラスにこんな子がいたらいいのにな。
ぼくも光一みたいになりたいな。
それとも、クラスにこんな子がいたら困るな、と思いますか?
いろんな気持ちを、この本を読んで味わってみてください。
それにしても、ふしぎではないですか?
光一はぬすみの計画を立て、クラスメイトを先導して実行しますね。その他にも、友達に、「約束をやぶったらなぐりつけるぜ」なんて言ったり、空気銃(くうきじゅう)を学校に持ってきていたりと、大人にしかられそうなことばかりしているこの光一という子が、どうして物語の中で、こんなにもかがやいているのでしょう。
そんな疑問に、自分なりの答えをさがして、読書感想文に書いてみるのもいいかもしれません。
この作品を久しぶりに読み返して、ケストナーの作品を思い出しました。「飛ぶ教室」という作品にも、やはり、頭が切れて度胸のある、そして家族思いの、みりょく的なリーダー格の少年が登場します。こちらもおもしろいので、ぜひ読んでみてください。
(クイズの答え:6年生です。本の100ページに書いてありますね)