ここでは、原稿用紙(げんこうようし)に作文や読書感想文を書く時のきまりを説明します。
小中学生が、宿題や、作文・読書感想文のコンクールに提出するための作品を書く時に使う、原こう用紙の使い方を調べてまとめました。画像入りで詳しく説明していきます。
主に縦書きの400字詰め原稿用紙(400じづめげんこうようし)についての説明です。
これがたて書き400字詰め原稿用紙です。
原こう用紙の使い方-基本的なきまり
- 題名は最初の行に、2~3マス下げて書く。
- 二行目の下に名前を書く。
- 段落の始めは一字下げて書く。
- ゃゅょっ。、「」(かぎかっこ)はそれぞれ一文字として、一つのマス目に書く。
- 。、」(とじるかぎかっこ)が行の始めに来る時は、前の行末に書く。
その他のきまり
ちょっと迷ってしまいがちな原こう用紙の使い方について、1つ1つ説明していきます。
名前と本文の間は1行あける?
特に指定がない場合、タイトルを1行目、名前を2行目に書くのが一般的です。
では、本文はすぐ3行目から書いていいのかどうか、という疑問があるかもしれません。
小学生の原こう用紙の使い方として、3行目から本文を書く、という説明をしているところが多いです。
もし、見やすくするためにあけるとしても、何行もあけず1行だけあけるようにした方が「余白で行数をかせごうとしている」と誤解される心配がなくていいのではないかと思います。
会話文のかぎかっこは1字下げるかどうか
その会話文から段落が始まる場合は、一字下げます。段落の途中に会話文がある場合は、改行し、一字下げずに「(かぎかっこ)を行頭(行の一番上のマス)に書きます。
会話文が2行以上になる時2行目以降を一字下げるかどうか
小学校の国語の教科書は、会話文が2行以上になる時、2行目以降は1字下げて表記している場合があります。これは小学校の教科書独特の表記のしかたなのだそうです。
参考:東京書籍 教科書に関する質問事例
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/e-mail/qanda/q-js-kokugo/q01-04.htm
原こう用紙に作文を書く時には、会話文の2行目以降は一字下げずに一番上のマスから書くのがふつうです。
閉じるかぎかっこには句点をつけるの?
会話文の終わりを句点+かぎかっことするか、かぎかっこだけでいいかという疑問です。。」にするか、」だけでいいか、ということですね。
- 小学校の教科書は、句点+かぎかっこです。
- 新聞や雑誌は、かぎかっこだけのことが多いです。
ちなみに、手元にある朝日小学生新聞を調べてみると、会話文の終わりはかぎかっこだけでした。
かぎかっこをとじる時に句点を省略しない。これも、教科書独特の表記のようです。
小学生向けに原稿用紙の使い方を説明している本、通信教育、ウェブサイトを見ると、会話文の終わりは句点+かぎかっことされています。
かぎかっこだけでも間違いではなく、例えば大学生の論文となったらまたちがうかもしれませんが、小学生の作文は、句点+かぎかっこで書くのが良いようです。
会話文の「」の後次の行は1字下げるかどうか
会話文をかぎかっこで閉じた後は、改行し、次の文は次の行から書く場合が多いです。
会話の次の文から段落が変わる場合は一字下げます。段落が変わらない場合は一字下げずに一番上のマス目から書きます。
会話文以外でかぎかっこを使う時
会話文ではなく、強調したい語などにかぎかっこをつける場合があります。
この場合はかぎかっこから改行する必要はなく、とじるかぎかっこに句点はつけません。かぎかっこでとじた後の改行もしません。
っゃゅょは行頭に来てもいいか
- これらが行頭に来てもよい。
- 前の行の最後の文字と一緒に書いてもよい。
どちらでもまちがいではないようですが、このあたりは先生によって教え方がちがうところだと思いますので、気になる場合は担任の先生に確認してください。
。、」は、基本的なきまりで書いたように、行頭にきてはいけないとされていますので、区別して覚えましょう。
数字はどうするか
縦書きの原こう用紙では、数字は漢字で書きます。
けた数が大きいなど、算用数字の方が見やすいと思われる場合は、ねかせて書く場合もあるようです。
その場合は、1マスに2文字の算用数字が入ります。
アルファベットはどうするか
記号としてのアルファベットは、1マスに1文字書きます。
小学生の作文では、ほとんど使わないと思いますが、英単語などを縦書きの原こう用紙に書きたい場合は、ねかせて書く方法もあります。
1マスに2文字のアルファベットが入ります。
目的別・原こう用紙の使い方の注意点
宿題やコンクールによっては、原こう用紙の使い方について指定がある場合があります。
学校の宿題
原こう用紙の使い方について、はっきりしたきまりはないので、先生によって教え方が多少ちがっています。
基本的なきまりを守って書かれていれば大丈夫だと思いますが、原こう用紙の使い方で迷った時は、担任の先生に質問してみるのが一番良いと思います。
青少年読書感想文コンクール出品用の場合
タイトル、名前は外側の余白に書きます。一行目から本文を書きます。
その他作文や読書感想文のコンクール
応募要項(おうぼようこう)を読み、原こう用紙の使い方、タイトルや名前をどこに書くのか等を確かめましょう。
読書感想文の書き方
姉妹サイト「家庭学習レシピ」で、作文が苦手な方向けに読書感想文の書き方を解説しています。こちらの記事もよろしければお読みください。
YouTube動画でもご覧いただけます。
なぜ原こう用紙に書くのか
原こう用紙に書くことの利点は、なんといっても文字数を数えやすいということです。
これから中学、高校、大学の受験の時や、入社試験などで、作文や小論文を決められた文字数で書かなくてはならないことが多くあると思います。文字数を意識して書くことに、少しずつ慣れていった方がいいのですね。
普段から原こう用紙やマス目のノートに、文字数を意識しながら文章を書く練習をすると、きっと決められた文字数で文章をまとめる力がついてくると思います。
この記事について
小学生が原こう用紙を使う機会はあまり多くはありません。読書感想文コンクール、作文コンクールに応募するための作文を書く時の他には、原こう用紙に書くことは、ほとんどないかもしれません。
授業でちょっとした作文を書いたり、夏休みの宿題として植物の観察日記、一言日記、絵日記などを書く時は、それに適した用紙が配られます。それは原こう用紙ではなく、低学年のうちはマス目、中学年からは縦か横の罫線(けいせん)が引かれた紙であることが多いようです。
自主学習用のノートに、日記や作文を書く場合もあります。これも、普通は正方形のマス目の方眼ノートか、縦か横の罫線のノートを使っている方が多いと思います。
そして、原こう用紙の正しい使い方を、今の学校では必ず教えることにはなっていないようです。漢字の筆順のように、国が「これが正しい」と決めた基準があるものとは違うのです。原こう用紙の使い方については、どの小学生も同じ内容で学校の先生に教わることにはなっていません。
また、小学生が作文を書く場合と、大学生が論文を書く場合、大人が記事や小説等を書く場合では、原こう用紙の使い方がちがっている部分もあります。
ここでは、小学生が宿題を学校に提出する場合、作文のコンクールに提出する場合の、原こう用紙の一般的(いっぱんてき)な使い方を説明してみました。
参考にしていただければと思います。
参考にさせていただいた本、ウェブサイトなど
作文の通信教育
「ブンブンどりむ」テキスト
本
「スイスイ!ラクラク!読書感想文」成美堂出版