八月の光【中学生】

中学生の読書感想文におすすめの本、朽木祥さんの「八月の光」をご紹介するページです。

広島に原爆が落とされたあの日、生きようとした人たちのすがたが丁寧に描かれています。

終戦記念日のある8月に、ぜひ読んでみてください。

この記事には、本の情報、登場人物、あらすじ、作品のキーワードを書いています。読書感想文を書くための本を探している方に、参考にしていただけるとうれしいです。


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タイトル八月の光
朽木 祥
出版社小学館
本の種類単行本 短編集
初めて出版された年と国2012年 日本
本の大きさ約18.5x13cm
ページ数251ページ
価格(税別)1400円
読むなら中学生~
読書感想文を書くなら中学生~

雛の顔

勘の鋭い母が、きっと良くないことがあると言い張って、勤労奉仕に行くことを拒んだ。その朝、ヒロシマに新型爆弾が落とされた。
通学途中だった昭子は爆風で吹き飛ばされるが、男子中学生の脚の上に叩きつけられたおかげで助かる。

石の記憶

母と2人、疎開をすることになっていた日の前日、原爆が落とされ、街は壊滅する。銀行へ出かけるといって帰らなかった母の痕跡を探していた光子は、あの瞬間母が腰掛けていた石段に残る、人の形の影を見つける。

水の緘黙(かんもく)

真っ青な空がざっくりと割れた。「見捨ててひとりで逃げてしまった」という罪悪感から、僕は全てを忘れてしまう。思い出せるのは、あの時自分が見捨ててしまった人たちの悲しい姿ばかり。

この他に4編、全部で7編の短編が収められています。

ここから先は、ネタばれがありますので、本を読んだ後に読むことをおすすめします。

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3つの作品の登場人物たちは、どこか遠くにいる特別な人ではなく、クラスにいても、近所に暮らしていてもおかしくないような人たちです。この本に描かれる亡くなっていく人たち、生きて苦悩する人たちが、自分だったとしてもおかしくはないのだという気がしてきます。

そんな人たちが、「人ではない」とこの本で表現されるような姿にされ、命を落としました。

「体験したこともないのに、安易に感想など書けない」と思えるかもしれませんが、そんなことはありません。

本を読んで心の中にわいたものを、真剣に、言葉に写して書いてみてください。

「八月の光」という題名でもう一つ有名な作品に、フォークナーの長編小説があります。そちらは大学生ぐらいからおすすめです。